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家族に内緒で買い物したことありませんか…

2010.12.08

僕は、趣味でギターを弾いているのですが、
まれに一目ぼれしてしまい、
幾度となく家族から怒られたことがあります。

ご自身、または、ご主人がそのようなことを
されたりしませんか。

現在制作中の新刊
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「ドッグマン」(仮)より


 彼は冬の終わりの冷たい日に、泥だらけの道を大館まで丸一日、馬車を走らせた。
件の子犬は聞いていたとおり素晴らしく、
機敏で、人懐っこく、毛は密生し、黒っぽい哀しげな目をしていた。
完全にその魅力の虜とりこになった守衛は、値段の交渉すら上の空だった。
それでも五〇〇円から三〇〇円に下げさせたが、
なおもそれは途方もない額だ。三〇〇円。彼の月給が五〇円だったときに。
 子犬と毛布の入った箱を抱えて家に帰る道すがら、
自分はバカだろうかと守衛は自問した。
だが同時に、もう長い間、それほど幸せだったことはないと感じていた。
 でも、喜多子になんて言えばいいのだろう? 
彼は妻に隠し事をするタイプの男ではないし、
第一、子犬を隠しておくなんて不可能だ。
まず家の裏にある薪小屋の中をきれいにして、子犬のために寝床を作ってやった。
それから、喜多子に簡潔に報告した。内緒にしていたことがあると切り出し、
打ち明けた。
 喜多子の頭に真っ先に浮んだのは、自分たちが食べるのさえままならないのに、
どうやって犬の餌を調達すればいいの?
次に近所の人たちに、なんと言われるかしら?
それからなんて頭のいかれた男と結婚してしまったの?
「彼とは何日も口をききませんでしたよ」と喜多子は言う。
「たぶん一週間。いえ、もっと長かったかも」

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何処の家でもあるんだなぁと…