直木賞と芥川賞が発表されましたね
2011.01.18
昨日1月17日、日本文学振興会は、第144回芥川賞・直木賞(平成22年度下半期)の選考会を行い発表をしました。
芥川賞:朝吹真理子さん(26)の『きことわ』と西村賢太さん(43)の『苦役列車』、直木賞:木内昇さん(43)の『漂砂のうたう』と道尾秀介さんの『月と蟹』を選出しました。
両賞が共に2作同時受賞するのは、芥川賞(金原ひとみ「蛇にピアス」、綿矢りさ「蹴りたい背中」)、直木賞(江國香織『号泣する準備はできていた』、京極夏彦『後巷説百物語』)で話題を呼んだ第130回(2004年1月15日発表)以来7年ぶりです。
既に新聞、テレビ、ネットニュースなどでも報じられていますので、受賞者の詳細などは、そちらでご存知かとおもいます。
これを機に文芸書に少しでも多くの読者が、戻ってくることを期待し、
受賞作以外にもたくさん面白い本があるので是非、そういった本にも興味を持ってもらいたいですね。
最近、本を選ばない読者の傾向が年々強くなっています。
著名人の推薦本、由緒ある受賞作品が読まれるのは理解できるのですが、
それ以外は読まないと言う方が増えているのです。
更に顕著なのが、大賞もしくは1位以外はあまり売れないという傾向もあります。
理由の一つにネット書店で「決め買い」していることもあります。
また、「取りあえず読んでみよう」から、「つまらなかったら損をする」に
本に対する価値観が、変わってきているのですね。
社会全体が、最近そういった傾向にあるので無理も無いのですが、
冒険しないと発見できないと言うこともまた、事実ですね。
文芸書は、今とても厳しい状況にあります。
文芸書を生業としていた出版社が、ビジネス書に進出してきている傾向が、
ここ3年くらい顕著になってきています。
弊社のような小出版社のビジネス書を置いて頂く
スペースが、年々きつくなってきているのを感じざるを得ません。
文芸書は、娯楽的要素が強く、損得で考えてしまうと、
自己啓発になるビジネス書の方が、実利があると言うことになるのでしょうか。
娯楽的要素と言えば、ライトノベルズは、それでもまだ売れているようです。
クロスメディア化され、アニメ等の視覚媒体と
あわせることで、様々な展開をして売上を伸ばしているようです。
その様に作品に世界観を広く持たせることで
コアなファンが、いることもあるのでしょうが、
文庫、新書などの安価な値段設定によるところも無視できないようです。
ハードカバーの文芸書2000円…
あなたは手に取る時どうおもうのでしょうか。
文春かって終りでは無く、受賞作品の単行本を是非買って読んでみたいですね…