電子書籍事業に足らないものを考えてみた。
2011.02.25
時代の流れはデジタルに向かい
本と言う物質としての嗜好を除き
内容の情報を捉えるのであれば
ペーパーレスという発想は、
もはや止められないと思います。
前置きが長いですね。
実は、今日はそんなことを長々と書こうとは
思っていないのです。
昨今、色々な場面で出版関係者を対象とした
電子書籍のコンテンツ制作、コンテンツ販売の
プレゼンテーションが行われています。
そこで毎日政治家が叩かれていることと
同じことを感じるのです。
1.プレゼンテーションが本当に下手である
・アピールがそもそも出来ていない
・競合他社との劣勢点を突かれると素直に認めてしまう
・技術的な優位性はアピールするものの結果的な利便性が分からない
・専門用語ばかりで意味不明である
最後に関しては、もうちょっと書ききれない僕の不満ですね。
専門職のプライドより消費者(顧客)の理解を何故優先できないか
不思議でなりません。
2.顧客との接点を無視してきた企業ほど先んじて動いている
本当に不思議な話です…
僕は、以前印刷製本業界にいましたが、大手で版元との関係を
軽んじていた企業ほど電子書籍事業に前向きであるのが
なんとも皮肉なものです。
資本があるというか、版元の気持ちを無視しているというか…
なので提案するはずのプレゼンテーションも通達のようで一方的です。
3.外資系企業が意外に静観している
今頃、日本の版元の屁理屈に苦しんでいるのでしょう。
主張するのが本業の連中ですから一筋縄ではいきません。
そもそもドラスティックな発想を持ちかけると
一番拒否反応を見せるのは出版業界なのです。
先ほど書いたように僕は、印刷製本業界で営業の仕事をしていたのですが、
出版業界は、とても閉鎖的な世界です。
情報の出入りに関してはとても広く開かれている反面、
制作に関しては、信用商売で新規参入がとても難しい世界です。
僕は、その業界で新規開拓をやっていたですが、
結局一番効果的な入り口は、
「貴社の本づくり全てに協力させてください」
でした。貴社の本を印刷させて下さいでは、全くもって足らないのです。
誠心誠意出版社の為に動いているという姿勢を見せて
初めて仕事が動く信用業界なのです。
「出版業界の再生ではなく貴社の役に立ちたい」
と言える会社が現れれば簡単なことなんですけどね…
早くそれに気が付いてほしいです。
さて、1年経ちますが、殆ど事業として成功している人が
いない一般書籍の電子書籍事業…
この先どうなるのでしょう。